堀米綾Harp
東京藝術大学器楽科ハープ専攻卒業。同声会新人賞受賞。菊地成孔とぺぺトルメントアスカラール、アンサンブル東風、間を奏でる、メンバー。
映画「すずめの戸締り」「天気の子」「東京オリンピック 2020 開会式・閉会式」連続テレビ小説「らんまん」他、収録参加作品多数。柔軟な音楽性を活かし、様々なシーンからハープの新たな魅力を発信している。ラジオ OTTAVA 番組プレゼンター。
近藤哲平Clarinet
ロッククラリネット奏者。University of New Orleans卒業。1904年製 "アルバート式" の楽器による歌うようなスタイルと熱いパフォーマンスでジャンルを横断し、クラリネットのイメージを更新し続ける。共演者は多岐に渡り、野外フェスからスナックまで演奏場所を選ばない。また "of Tropique" 名義の活動で主に海外レーベルから作品を発表し、国内では様々な形での楽曲提供の他『彼女のウラ世界』『僕の手を売ります』などTVドラマの音楽も担当する。
宿谷一郎Percussion
フリーのデザイナー/ドラマー。東京都出身。2023年までポストロック・バンド『サンガツ』に在籍し、ドラムおよび非音楽的パフォーマンスピースの作曲の多くを担当。国内外の音楽フェスや芸術祭に出演。演劇カンパニー『チェルフィッチュ』やNHKドラマ、映画の劇伴などの制作にも携わる。
池田拓実Computer
コンピュータ音楽家。トロンボーンと9軸センサー、バリトンとコンピュータ、ピアノとサウンドトラック、木管二重奏と携帯端末など、エレクトロニクスを伴う作曲作品の他、合唱のための音楽、即興音楽家のための記譜作品等を作曲。「Music as film」他、七里圭監督作品の映画音楽および生演奏付き上映。木下正道・多井智紀との「電力音楽」。近年は「鍵盤コンピュータ」を用いて即興音楽家としても活動。
侘美秀俊Keyboard
北海道帯広市生まれ。武蔵野音楽大学卒業。楽曲提供は、陸上自衛隊音楽隊の委嘱作品、国民体育大会や音楽ホール開館記念のファンファーレ、テレビドラマ、劇場上映映画のサウンドトラックから、演劇舞台のための音楽、こどものためのオペレッタまで多岐にわたる。
数多くの音楽書を出版。大阪音楽大学 特任准教授、札幌大谷大学芸術学部、武蔵野音楽大学 講師、株式会社 H-t studio代表取締役、北海道作曲家協会 理事

















コメントComment
段ボールのオモチャのような小さな家が、いつのまにか二階のある家屋だったり、ボール紙の壁面をはがすと青い壁の室内だったり、その壁が湿疹する皮膚のように黒い突起物が浮かんだりする。変容し続ける風景は少女の心のありようであるかも知れない。
この映画は動く現代美術のようでもある。
誰か一人の「自分」という出来事は、長くよられた境界線の途中のわずか一ねじりかもしれなかったのに、その「自分」を含めた一連の線が、もう輪郭を失ってどこかに散ってしまっても、誰か一人の「自分」が居たという奇跡は、おとなしくその一人の体の内だけに収まってくれなくて、どこか尊く静かな狂気で、外へ外へと目撃者を産んでいくように思えて怖いです。
アザのある少女を主人公にしながらアザそのものを見せないこの映画は、じつは私たちを彼女のアザの中に導いて旅をさせている。
映画に於ける「冒険」は、まだこんな可能性を残していた。
この映画を見て、ほんとうにひさしぶりに思い出した。
映像にも肌理があることを。
画面にも色香が漂うことを。
彼女の躯がエロチックなのではない。映画そのものがエロいのだ。
七里圭の視線は「それ」を丸裸にし、残酷なまでに愛玩する。
廃屋の奇妙な飾りつけ、セリフをしゃべらない登場人物……やっぱり、子どもの頃、ノッポさんに遊んでもらったことがあるやつはちがう。
菓子の空き箱をくぐりぬけた先にある世界は、七里圭版『できるかな』だ。
肉体と物質、虚構と現実が、一人の少女と一体の人形の間を交差する。
人形は鏡の国に存在する彼女の精神的なプロトタイプである。
極彩色の光と闇が、見る者の第六感を刺激する。
そして、少女が人形に対峙して見る妄想は、胎内のように心地よく、暖かい。
触覚的、視覚的な、超感覚映画です。