映画『清掃する女 亡霊』公式サイト
2026年6月13日(土)より新宿ケイズシネマ、8月22日(土)より 大阪シネヌーヴォ 1週間限定上映 全国順次公開

ストーリー

母の終わりは 娘の終わり
何者でもない 私の始まり——

私は清掃婦。
髪も白くなり、ただいたずらに過ぎゆく日々。
そこへ、若かりし姿で母の亡霊が現れる。
母は娘が子を産まず、孤独に生きることを嘆く。
しかし、娘は強く反論する……
夢幻能の形式を借りた、歌と身体表現によるパフォーマンス。
再びそれが繰り返されるとき、すでに人の姿はない。
奇妙な箱人間がうごめき、劇場はCG へ変貌する……

イントロダクション

能と、AI と、亡霊について。
日本映画界の極北、七里圭(『ピアニストを待ちながら』『眠り姫』)が描く
映画 / 劇場の黙示録 ——

2019年上演の『清掃する女』は、生の身体と紗幕映像が交錯する実験的な舞台として絶賛、衝撃を与えた。この映像/演劇作品は、その後、AI キャプチャーの骨格抽出により非人間的な振付をされたCGパートを加え、全く新しいシネマとしてRe-creationされる──

出演は、パフォーミングアーツの実力派たち。白髪の清掃婦を演じるは、伝説の転形劇場出身、現在もARICA を主宰し精力的に活動を続ける安藤朋子。一方、美しい母の亡霊を踊るは、舞踊家・振付家としてダンス・シーンを牽引、BATIK を率いて数々の賞を受けてきた黒田育世。さらに、超絶技巧の歌い手・さとうじゅんこが、異色の競演を盛り上げる。

至極の芸が火花を散らし、演じ描かれる、母と娘の相克や愛憎。そのパフォーマンスを先端技術が再解釈した、データのNoise & error。それは、肉体を削ぎ落とされた生命か、情報化されえぬ亡霊か。異才・七里圭監督がコロナ禍を挟む時代、社会の変容を見つめ、ポストヒューマン/人間不在の未来を予見する前代未聞の最新作!!

キャスト&スタッフ

安藤朋子

アクター。1977年太田省吾(劇作家・演出家)主宰の劇団転形劇場に入団、88年劇団解散後も太田と共に活動し、数々の国際プロジェクトに出演。01年演出家藤田康城、詩人・批評家倉石信乃らとTheater Company ARICAを創設、新作を発表し続けている。主な出演作品に『水の駅』『↑』(転形劇場)、『KIOSK』 『恋は闇』『孤島』(ARICA)など。海外公演も多く、第17回カイロ国際実験演劇祭にてARICA『Parachute Woman』の演技で特別最優秀賞受賞。

黒田育世

6歳よりクラシックバレエを始め、1997年に渡英、コンテンポラリーダンスを学ぶ。02年にBATIKを設立。バレエテクニックを基礎に、身体を極限まで追いつめる過激でダイナミックな振付は、踊りが持つ本来的な衝動と結びつき、ジャンルを超えて支持されている。03年トヨタコレオグラフィーアワード2003次代を担う振付家賞・オーディエンス賞、04年朝日舞台芸術賞、06年舞踊批評家協会賞など他、多数受賞。BATIKの活動に加え、金森穣率いるNoism05、飴屋法水、古川日出男、笠井叡、野田秀樹、串田和美、ジョナサン・マンビィなど様々なアーティストとのクリエーションも多い。22年より『黒田育世再演譚』シリーズを展開中。 http://batik.jp/

さとうじゅんこ

歌い手。秋田市生まれ。東京藝術大学音楽学部声楽科ソプラノ専攻修了。ジャワガムランのプシンデン(女声歌手)として活動する他、滞空時間、すばらしい世界旅行〜音楽編、七里圭監督作品などに参加。シャンソンや民謡など幅広いレパートリーにも取り組む。グローバリズムの抱える問題に向き合いながら創造力豊かなアートネットワークへの貢献を志す。サウナー。相撲ファン。

スタッフ

監督・構成:七里圭
脚本:新柵未成 七里圭
撮影:高橋哲也 村上拓也 
CGエンジニア:早川翔人
整音:松野泉 音声リミックス:池田拓実 楽曲提供:檜垣智也

演奏:GO ARAI(バイオリン) 法貴彩子(ピアノ)
舞台監督:高橋哲也 映像技術:日景明夫
舞台照明:小駒豪 舞台音響・録音:池田野歩
舞台制作:土屋光 宮崎晋太朗 写真:本多晃子
舞台スタッフ:吉原航平 冨田粥 門谷風花 川端もくは 末永賢
協力 岡野昌代(PICOLER) 青石太郎 近藤哲平 菊地敦子 石山友美 佛願広樹 風みどりさっちゃん 横江れいな 浜田誠太郎 山本伊等 土居伸彰 田中聡 戸塚泰雄(nu) アダム・サザーランド 棚沢努 SCOOL リ・インベンション 吉祥寺美術学院 インディペンデントフィルム 早稲田小劇場どらま館

宣伝・宣伝デザイン:ガブリシャス本田 HP制作:植田智道 宣伝協力:alfazbet
製作・配給:charm point

ニュース

2026.06.03
1週間限定公開(6/13土~19金)の開映時間、連日アフターイベント決定!
6/13(土)20:30 上映後 安藤朋子さん(アクター/本作出演)
6/14(日)20:40 上映後 黒田育世さん(ダンサー・振付家/本作出演) +【特別上映】『ASPEN』(クラムボンのMV)
6/15(月)20:30 上映後 文月悠光さん(詩人)
6/16(火)20:30 上映後 上條葉月さん(字幕翻訳者)
6/17(水)20:30 上映後 荻野洋一さん(映画評論家・番組等の構成・演出)
6/18(木)20:30 上映後 【特別上映】 『DUBHOUSE』35㎜フィルム上映(16分)
6/19(金)20:30 上映後 早川翔人さん(アーチスト/本作CGエンジニア)

2026.05.21
東中野「書店ヤンヤン」にて公開前夜6/12トークイベント開催決定!
映画『清掃する女 亡霊』公開を記念し、「働いてたらできない?「つくる」と向き合うわたしたちの50の方法」というタイトルで、東中野・書店ヤンヤンでトークイベントを開催。生活と創作の関わりを監督・七里圭が、いぬのせなか座主宰・山本浩貴、文筆・編集の長濵よし野をゲストに迎えて語り合います。
6月12日(金)20時より
詳細:https://yanyan-books.stores.jp/


コメント

物語映画、実験映画、パフォーミングアーツの境界線の冒険者による傑作だ。

荻野洋一 (映画評論家)

これは人間が作ったものなのだろうか。次第に人間は消え、残された文化が自我を持って独自に物語を紡ぎ始めたかのような、奇妙さと寂しさの風景が淡々と広がっていきます。

吉田山 (アートアンプリファイア)

うすい幕をとおして流れる芝居、迫るCG。 そして、静かな狂気にも似た言葉の数々は、日をまたいでも脳裏に残り、目撃した映像の数々に想いを馳せる。

阿久根裕子 (『ホッテントットエプロンースケッチ』主演)

めちゃくちゃ怖い演劇(映画)。川本喜⼋郎の⼈形アニメーションにCGアニメの未来がかぶさったような、余裕で⾒ている観客が最終的には呪いを浴びせられるという…語りたいことがあまりにもありすぎて頭がパンクしそう。映画アニメーションの最先端を⾒たい⼈はここにある。

⼟居伸彰 (株式会社ニューディアー代表取締役/ひろしまアニメーションシーズンプロデューサー)

映画は死んだと七里圭は言う。ならば、映画の亡骸がそこにあるだろう。映画の葬儀を始めよう。長い儀式のはじまりの沐浴が、『清掃する女』である。しかし映画が死んだのなら、これを映画館で見る人間たちもまた、暗闇の箱を満たした涙の海へ、ついに揺曳しはじめる。それは溺死か再生か。

西田博至 (批評家)

七里圭の異常性が存分過ぎるほどに発揮された怪作

佐々木敦 (批評家)

七里圭監督の新たなる旅立ちに拍手を

渋谷哲也 (ドイツ映画研究・日本大学文理学部教授)

今の時代の亡霊とは何だろうか。
この映画を観ると、人生とは「私」を取り戻し、
「私」を消失していくだけの営みのように思われていく。
持ち主を失えば、記憶も無数のデータに埋もれるだろう。
映像や音楽、言葉もそのような運命を辿る。
だが、その終わりのなさ、反復性に心惹かれた。
肉体の有無さえ超越し、「私」から解き放たれる可能性。
怖さの奥に、ある種の清々しさを感じた。

文月悠光 (詩人)

〈時間〉とは、俳優のからだにこそ宿るのだ、ということを改めて強く感じさせられました。
俳優の動作によって刻まれ、声によって波うち、佇まいによって引き伸ばされる〈時間〉。その表情を記録することで映画が立ち上がる。
でもそういった映画の作り方に、もはや安穏としていられない……という、なんでしょう……恐怖も伝わってきました。
からだを欠いた動作は、スクリーンの中で変化を見せているにも関わらず〈時間〉にも〈映画〉にもならず、その息苦しさと終わりのなさは無間地獄のようでした。
けれど……いまこうして言葉を拾い集めながら、自分が無事に帰途についたことを知り、どうやら自分は確かに〈映画〉を潜り抜けたのだ、と呆然としています。

古澤健 (映画監督)

アーカイブ

(記録映像版)『清掃する女』上映

2020年9月26日(土)~28日(月)、追加上映11月3日(火)@SCOOL

劇場情報

都道府県 劇場名 電話番号 公開日 備考
東京都 新宿ケイズシネマ 03-3352-2471 6/13(土)~19(金)
大阪府 シネ・ヌーヴォ 06-6582-1416 8/22(土)~18(金)
神奈川県 横浜シネマリン 045-341-3180 8/29(土)~9/4(金)
京都府 出町座 075-203-9862 9/4(金)~9/10(木)